男の子の入学式/卒業式スーツ
男の子の入学式や卒業式のスタイルといえば、スーツ。お子様の成長の節目であり、大切なセレモニーであるからこそ、スーツも晴れの日にふさわしい一着を選んであげたいもの。ここでは、よいスーツの見分け方、3つのポイントをご紹介いたします。
よいスーツとは?
男児用のスーツは、その製造工程から大きく2つに分けられます。
1.通常の服と同じ縫製工場で、縫製・仕立てをしているもの
2.紳士服仕様で、紳士スーツ仕立て専門の縫製工場で、縫製・仕立てをしているもの
上記、パッと見は同じように見えます。しかし、見方のポイントを知ると、その差は歴然!
服の立体感の違い
上記1の方法で普通の洋服のように仕立てた服は、平たいハンガーにかかった状態でみると、案外綺麗に見えます。平面で仕立てるため、平面で見ると綺麗なのです。
一方、紳士物スーツと同様に仕立てた服は、体に沿った膨らみや角度をもっています。平面には沿いませんが、逆に、トルソー(ボディー)に着せたり、人が試着したりすると、袖を通した瞬間に、ピシっと決まります。
キャサリンコテージの撮影スタイリストも言います。
「1のスーツは、トルソーに着せた時、襟や袖、身頃も、手で引っ張ったりして、形を整えないと撮影に入れない。」
「2の紳士服仕様のスーツは、トルソーにサッとかけるだけで、ぴたっと決まって手を加える必要がない。」
どちらがよいスーツか?
もちろん、2の、紳士物スーツ仕立てでつくられたスーツです。着用した時に、体に沿ってピシッとかっこよく決まるからです。
よいスーツの見極め方、3つのポイント
価格は、参考にはなるが、絶対の判断基準にはならない
1の方が当然コストは安くできますが、ファッション業界では、コストと小売価格は、必ずしも正比例していません(コストが安いものをブランドにふさわしい高価格で販売しているブランドも非常にたくさんあります)。
男の子用のスーツは、サイズ、パターンが特殊、かつ需要もまだ少ないため、一般に紳士服工場では製造しておらず、また、子供のスーツを正式な紳士服仕様で仕立てる工場が極端に少ないため、高級衣料を扱う大手商社であっても、工場が見つからず、2の仕様で作りたくても作れないという事情があるので、いわゆるブランド品であっても、一流の仕立てになっていない可能性が大きいです。
そのため、スーツにおいての販売価格は、ある程度の参考にはなりますが、残念ながら、絶対の判断基準にはなりません。
以下、よいスーツ見極めのための、3つのポイントをご紹介します。
1.袖の前振りの有無〜ハンガーに掛けた状態で、袖が前に振れているものはGOOD
ジャケットをハンガーにかけた状態で、
・袖がまっすぐに、下に降りている→通常の服と同じ縫製
・袖が前側に振れている→紳士物スーツ仕立て◎
上の写真をご覧ください。左右の写真は、トルソーに着せただけの状態ですが、袖が前に振れているのがわかりますか?
これも縫製とアイロンワークによる立体仕立てのなせる業!
人は、自然な状態では、中央の写真のように、腕は、まっすぐ下ではなく、前に振れています。
キャサリンコテージが贈る紳士服仕立てが自慢の【Michelle Alfred】のスーツは、最初から前に振った状態で仕立てているので、真ん中のモデルの男の子のように、普通に立った時、腕にも脇にも、皺がよっていないのが、わかるでしょうか?
これが、紳士服仕立てでない1のスーツだと、自然な姿勢で立っているだけで、皺がよってしまうのです。
2.パッカリングの有無 〜特に襟のピーク、背中、脇の縫い目付近などに、シワやよれが、ないかどうか
パッカリングとは
縫った時にミシン目にできる、縫いちぢみや、ひきつれによる歪みのこと
パッカリングは、次の4つの項目でNOがあればあるほど頻繁に起こります。逆にすべてYESなら、パッカリングはありません。
1.パターンの裁断前に、生地の伸縮がないよう、生地を広げてある程度の期間放置しているか(放反の有無)
2.さらに、裁断を2段階で行っているか(生地は、裁断すると縮みます。そのため、正確な裁断をする工場では、一度、パターンより大きめに裁断し、1日放置した後、ぴったりの大きさに再度裁断します)
3.アイロンワークの技術があるか(特に襟のピーク、袖の前振りなどは、スチームアイロンをかけながら縫製を行うことにより、布の繊維の自然な角度とは異なる部分を美しく仕立てていきます。紳士服縫製の醍醐味は、ココです。)
4.縫製の技術があるか(当たり前ですが、1〜3をしていても、縫製の技術が悪ければ上質なスーツには仕上がりません!)
3.細腹の有無〜あれば、英国紳士服仕立てである証
「細腹!?・・・って、何?」
英国風のオーダーメイドのスーツでは、よく使われるこの言葉。
細腹(サイバラ)とは、スーツの前身頃と後ろ身頃をつなぐ布地のことです。
そう。通常の子供スーツは、前身頃と後ろ身頃の2枚の生地を縫い合わせてつくります。
しかし、英国紳士服仕立てのスーツは、違います!
前身頃と後ろ身頃の間に、しっかり、このサイバラ部分を入れます。
このサイバラがあることで、胸板が厚く、ウエストは細く、体のラインにフィットしてかっこよく見えるのです。
人間は、立体なので、前身頃と後ろ身頃の2枚の生地を縫い合わせただけの服を着ると、体に沿いませんし、横に広がって見えてしまいます。
サイバラをいれて、立体的につくることで、前から見た時に、 細く見えます。
当然細く見えた方が、カッコいいのです。ダンディーです。
【Michelle Alfred】のスーツは、もちろんこの細腹部分がある、本格英国テーラー仕立て。【Michelle Alfred】のスーツを手に取ったら、まず、ジャケットをお子様に着せてみてください。
ハンガーにかけたり、平置きにした平面の状態でかっこいいのではなく、着せるとかっこいいのが、紳士物スーツ仕立てである、立体縫製のよいスーツです。
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