子どもと楽しむ年中行事*1月号|元日、七草粥、成人の日、小正月、どんど焼き

さぁ、もう2023年も終わりが見えてきて、新年の足音も聞こえ始めてきましたね!

2023年は徐々に日常がもどってきて、気持ちも上向いてきたところで、さわやかに新しい年を迎えたいものです。

年末年始、久しぶりに帰省される方もいるかもしれませんね。日本の伝統行事や古来からの遊びである羽子板やコマまわし、凧揚げなど、普段なかなかやらないことに目を向けてお正月をお子さまと楽しんでみるのもいいかもしれません!

さて、ここでは1月の年中行事をご紹介いたします。
1月はお正月にまつわる伝統行事がたくさん! 今までなんとなくやっていたことや、子どものころ両親がやっていたことの意味合いを改めて知れば、きっとお子さまにも伝えたくなるはず。
お節料理に込められた意味なんかも、お正月の食卓を囲みながらお子さまに話してあげてもいいですね!

特別な年末年始を、ご家族でお過ごしください!

二十四節気

季節の変化を知るために、地球が太陽をまわる一年を24に区分して、「春分」「秋分」など季節を表す言葉をつけてあらわしたものが、「二十四節 気」。農村ではこの二十四節気を基準にして種まきや収穫などをおこなってきました。より細かく四季のうつろいを感じられるだけでなく、年中行事とも深く結 びつくものもたくさんあります。

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1月 小寒(しょうかん)/大寒(だいかん)
2月 立春(りっしゅん)/雨水(うすい)
3月 啓蟄(けいちつ)/春分(しゅんぶん)
4月 晴明(せいめい)/穀雨(こくう)
5月 立夏(りっか)/小満(しょうまん)
6月 芒種(ぼうしゅ)/夏至(げし)
7月 小暑(しょうしょ)/大暑(たいしょ)
8月 立秋(りっしゅう)/処暑(しょしょ)
9月 白露(はくろ)/秋分(しゅうぶん)
10月 寒露(かんろ)/霜降(そうこう)
11月 立冬(りっとう)/小雪(しょうせつ)
12月 大雪(たいせつ)/冬至(とうじ)
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1月には、「小寒(しょうかん)」と、「大寒(だいかん)」があります。

  • 小寒(しょうかん) 1月5日ごろ(2024年は1月6日)
    寒さが加わる頃という意味で、いわゆる「寒の入り」。この小寒から節分までの30日間を「寒の内」といい、寒風や降雪などで寒さが厳しくなる時期。ここから冬が本番を迎えます。
    この日から、寒中見舞いを出し始め、1月下旬までに先方に届くように送るのがマナーです。
  • 大寒(だいかん) 1月20日ごろ(2024年は1月20日)
    寒さがさらに厳しくなり、1年で最も寒い時期。その分、冬の季節では最後の節気となります。耐寒マラソンや寒稽古など、寒さのなかで体を鍛えるいろいろな行事が行われたり、寒気を利用した食べ物(凍り豆腐、寒天、酒、味噌など)を仕込んだりする時期です。

1月の年中行事

1月の年中行事と、ぜひ生活に取り入れてお子さまにも受けついでいってほしい伝統的な生活習慣などをご紹介します。

元日(1月1日)

年の始めを祝う日。年末を忙しく過ごされる方もたくさんいらっしゃると思いますが、やはり1月1日は気持ちも新たに、フレッシュな一年のスタートをきりたいものですね!

ちなみに、年賀状やお店の広告などでも見かける「元旦(がんたん)」という表記は、厳密には元日の朝のこと。午後には元旦という言葉は使いません!
1月1日のことを元旦、と思っている人も多いと思いので、その辺はきちんと使い分けましょう。

おせち料理

色とりどりの食材が重箱に詰められたおせち料理。一年の幕開けにふさわしい、めでたい行事食です。漢字で書くと、「御節料理」。季節の変わり目のお祝いの日である「節日(せちにち)」、そしてその日にふるまわれていたお料理、「御節供(おせちく)」にその名前の由来があると考えられています。
重箱につめられたそれぞれの料理、素材には意味があります。いくつかのおせち定番の一品の意味をご紹介します。

数の子

数の子はニシンの卵。ニシンは卵が多いため、子宝や子孫繁栄を願う縁起物として食べられます。

栗きんとん

きんとんは漢字で「金団」と書きます。その字の通り金銀財宝を意味し、金運を呼ぶ縁起物としておせちに入っています。

伊達巻

その形状が巻物に似ていることから、学問や習い事の成就を願う食べ物です。

紅白なます

紅白の色は水引を表しており、平和を願う縁起物です。

紅白かまぼこ

半円状が初日の出の形に似ていることから用いられます。さらには魔除けの赤、神聖な白、紅白そろえることで縁起がよいと言われています。

田作り/ごまめ

干したカタクチイワシに味付けしたもの。その昔田植えの肥料に乾燥したイワシを使っていたことから、「田作り」、もしくは、イワシを肥料に使った田んぼは豊作だったことから「ごまめ(五万米)」と呼ばれています。豊作を願う食べ物です。

作るにしても、買うにしても、ごちそうになるにしても。それぞれに願いが込められたおせち料理、ひとつひとつをかみしめながらいただきたいものですね。

お正月遊び

「お正月」というと、日本の伝統的な遊びもイメージとしてわいてくるのではないでしょうか。凧揚げ、コマ回し、羽子板に福笑い。どれもシンプルだけれども世代を超えて楽しめるものばかり! また、楽しむだけでなく、それぞれの遊びにも願いだったり厄除けといった意味合いもあるのです。
ご自身が子どものころに遊んだことがあるお正月遊びや、小さいころにやったことがない!という方は、これを機にぜひお子さまと伝統的な遊びを楽しんでみてはいかがですか?

▶︎▶︎子どもと楽しむ「正月遊び」!

凧あげ●凧が空に向かって高くあがるほど願い事が神様に届く、願いが叶う、または、子が元気に育つ、といわれています。最近なかなか凧あげができるような広いスペースがありませんが、近くに広い公園や河原がある方は、ぜひお正月の風物詩、凧あげにチャレンジしてみてくださいね。

       

福笑い●「笑う門には福来る!」と縁起がいいことから、お正月にふさわしい遊びとなったようです。これなら家にあるもので簡単に作れそうですし、小さなお子さまでも一緒に遊べますね。無料でダウンロードできる福笑い素材もたくさんあります。おもしろい顔ができたら勝ち、きれいに顔ができたら勝ち、など、ご家族独自のルールで楽しんでくださいね。

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コマまわし●物事が「円滑にまわる」に通じて縁起がよく、また、うまくコマを回せると子どもが早く独り立ちできる、とも言われています。とくに男の子なら誰だって夢中になれるのがコマ遊び! お父さんやおじいちゃんが得意かもしれませんし、もしかしたら新しいコミュニケーションにつながるかもしれません。

羽根つき●女の子にとってお正月遊びの定番だったのが、羽根つき。厄を払い、健やかな成長を願う遊びです。羽根のムクロジの実は「無患子」と漢字で書くことから、子が患わない、また、羽根が病気を運ぶ蚊の天敵のトンボに似ているため、1年の厄を払いのけるとされています。打ち損じると顔に墨を塗るという昔ながらの遊び方、あれも実は魔よけのおまじないなのだそうです。

松の内

正月の門松を出している間、つまり、お正月の装飾をしておく期間のことです。昔は1月15日が成人の日の祝日だったため、15日までを松の内、としていた地域が多いようですが、関東はじめ多くの地域では今は、伝統食である七草粥を食べる習慣のある1月7日までを松の内とするところが多いようです。
松の内が終わったらお正月飾りははずし、小正月でどんど焼きなど地域でやる場合はそこで燃やし、そういったイベントがない場合は丁寧に紙に包んで、自治体の区分に従い処分します。

人日の節句/七草の節句(1月7日)

多くの地域で松の内の最後の日となるこの日は、「人日(じんじつ)の節句」。七草粥を食べる日として認識されている方もたくさんいらっしゃいますよね。

3月3日、5月5日、7月7日、9月9日など、奇数が並ぶ日を「五節句」とよび、それぞれその時期に旬の物を飾ったり食べたりすることで、邪気を払い、健康を願う伝統行事となっていますが、1月1日ばかりは元日とかさなるため、1月は7日の「人日」を節句の日としています。古代中国では、1月1日は「鶏」、2日は「犬」、3日は「羊」・・といったように、毎日の天気でその日のお題を占っていたそうで、7日が「人」を占う日にあたるそうです。この「人日」である7日に七草の入ったおかゆを食べて一年の無病息災を願っていたようです。これが日本にも伝わり、雪の間から芽を出した若菜を摘む「若菜摘み」という日本古来の風習と相まって、七草粥を食べるようになりました。平安時代は宮中の儀式でしたが、江戸時代には一般に定着し、江戸幕府の公式行事となりました。「七草」「七草の節句」ともいいます。

七草粥

1月7日に食べる七草粥には、春の七草、つまり、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ(大根)を入れます。
それぞれに、胃腸を整えたり、消化促進、風邪予防といった効能があると言われているものばかり。地域によっては違う植物を入れたり、またはこのなかのいくつかであったり、伝統にも差があるようです。

こういった行事食は伝統であるとともに古き良き知恵でもあり、年があけてごちそう続きだったり、生活が狂ったりで疲れた体や胃を休めるためにも七草粥は身体にやさしい食事なのです。今ではスーパーや八百屋さんでも手軽な「七草粥セット」が売られています。伝統通りだと1月7日の朝に七草粥を食べるのですが、今年はぜひ、昼夜問わずご家庭のお食事に七草粥を取り入れてみては?

成人の日(1月第二月曜日) 2024年1月8日

1999年までは、1月15日が成人の日でした。そして当時は学年ごとではなく、前年の成人の日の翌日からその年の成人の日に誕生日を迎える人を祝う日、としていたようです。しかし2000年(平成12年)のハッピーマンデー制度導入以降は、前年の4月2日からその年の4月1日に成人する人が式典参加の対象、つまり、学年ごとに式典をおこなうことで定着したのだそう。

たしかに・・私はちょうどその境目あたりだったのですが、そういうもんだと思っていたからか何も思っていませんでしたが、そういわれてみれば式典に行っても全然知ってる人がいなかったような気が今さらしてきました・・・私は早生まれなので、そういう意味では地元の他のお友達とは式典の年度がわかれてしまっていた時期だったのかもしれません・・・。

鏡開き(1月11日)

お正月に年神様や仏様に供えた鏡餅を下げて、食べる伝統行事が鏡開きです。神様にお供えしていたものには力が備わっている、と考えられているため、家族皆で感謝しながら無病息災を祈ってお餅をいただきます。雑煮や汁粉にして食べるのが一般的。

また、関西など、松の内(お正月飾りを飾っておく期間)を1月15日までとしているエリアでは、鏡開きは15日、または20日におこなったりもします。京都では1月4日におこなうようですし、この風習にも地域差がありそうですね。

鏡開きをご家庭でする場合、鏡餅には神聖なものが宿っているため、刃物は使わず(昔の「切腹」を彷彿とさせるため)、木づちなどで叩いて割るようにしましょう。

小正月(1月15日)

年神様やご先祖様をお迎えする元日を「大正月」と呼んだことに対して、「小正月(こしょうがつ)」は家庭的におこなう行事。松の内を忙しく過ごした主婦をねぎらう意味で「女正月」とも呼ばれています。
餅や団子を小さくまるめて柳などの木の枝にさした、餅花をかざります。

どんど焼き

小正月の行事としておこなわれるのが、年末年始に飾っていた門松やしめ縄飾りを持ち寄って燃やす儀式。年神様をお迎えしたそれら正月飾りを燃やすことで、炎と共に見送る意味があるとも言われています。また、書き初めで書いたものを燃やし、炎が高く上がると腕が上達する、とも。どんど焼き、または地域によっては左義長(さぎちょう)と呼ぶところも。

さぁ、新しい年がやってきます!
新しい年が皆様にとって実り多き一年となりますように!!

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