子どもと楽しむ年中行事7月号|七夕、海の日、土用の丑の日、暑さ対策

気象庁が出した予測によると、2024年7~9月の気温は「全国的に暑い夏 最も暑かった昨年に匹敵するおそれ」、とのことです。

「平年並みの暑さ」とは?

天気予報でよく聞く、「平年並みの暑さ」とは、一体何を基準にしているのでしょうか?

今現在使われている基準値は、過去30年のデータに基づき10年ごとにアップデートされているもので、直近だと2022年に改められ、1991年~2020年の30年間の平均値のようです。ここ数年が特に猛暑だったり暖冬だったり、局所的な集中豪雨があったりと異常な気象が目立つようになってきたので、30年平均としてしまうと平たくならされてしまいそうですが、目安にはなりそうです。

「暑さのピークは7月下旬~8月上旬」とのこと。

熱中症や紫外線対策、夏バテ防止などなど、夏のお出かけやレジャーはここ数年特に気になることも多いですね。しっかり対策して、元気に過ごせるよう気をつけてください。

さて今回も、知らなくてもいいけれど、知るとちょっぴり子どもとの生活が楽しくなる、7月の年中行事のあれこれと、来たる夏もお子さまと快適に楽しくすごすためのヒントをご紹介いたします!

二十四節気

やはり最初は、年中行事とも密接に結びついている二十四節気の話から。

季節の変化を知るために、地球が太陽をまわる一年を24に区分して、「春分」「秋分」など季節を表す言葉をつけてあらわしたものが、「二十四節気」です。農村ではこの二十四節気を基準にして種まきや収穫などをおこなってきました。

カレンダーや手帳などにも、小さく書かれていますよね。二十四節気は四季折々、私たちの生活と自然界をつなぐバロメーターなのです。

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1月 小寒(しょうかん)/大寒(大寒)
2月 立春(りっしゅん)/雨水(うすい)
3月 啓蟄(けいちつ)/春分(春分)
4月 晴明(せいめい)/穀雨(こくう)
5月 立夏(りっか)/小満(しょうまん)
6月 芒種(ぼうしゅ)/夏至(げし)
7月 小暑(しょうしょ)/大暑(たいしょ)
8月 立秋(りっしゅう)/処暑(しょしょ)
9月 白露(はくろ)/秋分(しゅうぶん)
10月 寒露(かんろ)/霜降(そうこう)
11月 立冬(りっとう)/小雪(しょうせつ)
12月 大雪(たいせつ)/冬至(とうじ)
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7月には、小暑(しょうしょ)と大暑(たいしょ)があります。

  • 小暑(しょうしょ) 7月7日ごろ(2024年は7月6日)
    ニュースや天気予報で耳にすることがあるかもしれませんね。暑さがだんだんと強くなっていくという意味です。
    小暑は梅雨明けの時期でもあり、暑中見舞いを出しはじめる頃です(8月の「立秋」以降は残暑見舞い)。
  • 大暑(たいしょ) 7月23日ごろ(2023年は7月22日)
    大暑とは、読んで字のごとく、暑さが最も厳しくなるという意味で、もう見るからに夏の到来を強く感じますね!
    動物園のシロクマへの氷のプレゼントや、全国各地の打ち水イベントなどは、この大暑に合わせて行うことが多いようです。
    またこの時期は、暑さで体力の消耗が激しくなるため、夏バテ防止でスタミナのつく「うなぎ」を食べる習慣があります(※「土用の丑の日」にて紹介)。

7月の年中行事

7月の年中行事を子どもと楽しむアイディア、猛暑を乗り切るヒントをご紹介いたします。

●七夕(7月7日)●

子どもたちもなんとなく、この日は「織姫と彦星が一年に一度会う日」、と知っているかもしれませんね!

七夕

機織りが上手だった織姫の父、天の神は、娘の結婚相手として、働き者の牛使い彦星を選び、二人はめでたく夫婦になりました。ところが二人は夫婦になると、仲睦まじいのはよいのですが、仕事をしなくなってしまいます。これに怒った天の神が二人を天の川を隔てて離れ離れにし、七夕の夜に限って再会を許しました。そうして織姫と彦星は、年に一度の再会を楽しみに、日々仕事に励むようになった、ということです。

日本では、晴れなら織姫と彦星が会える、といわれているので、七夕の夜が晴れることを願ったりもしますが、お隣韓国では七夕の夜が雨だと、「二人が再会に喜び涙を流した」、その翌日も雨だと、「二人が別れを惜しんで涙を流している」というのだそうですょ。この前向きでロマンティックな捉え方、ぜひお子さまにも教えてあげたいですね!

七夕の願い事

七夕

七夕といえば、短冊に願い事、ですよね! 幼稚園に飾られている笹を見ると、「プリキュアになりたい」「ピアノがじょうずになりたい」などなど、 子どもたちのかわいらしい願い事に思わずほほえんでしまいます。七夕のルーツとなった中国では、織姫と彦星の逢瀬を祝って「乞巧奠」(きっこうでん)という行事が催されていました。機織りが上手だった織姫にあやかり、さまざまな手習い事の上達を願う行事です。

日本でも江戸時代になると、手習いごとをする人や寺子屋で学ぶ子が増えたこともあり、笹に短冊をつるして、裁縫や詩歌、書などの上達を願うようになります。当時はサトイモの葉に溜まった夜露を集めて墨をすり、その墨で文字を綴って願い事を書き記したようです。サトイモの葉は神からさずかった天の水を受ける傘の役目をしていたと考えられているため、その水で墨をすると文字も上達するといわれているからです。

このルーツを考えると、短冊に書く願い事は「何かが欲しい」といったようなことではなくて、習い事などの上達や夢を書いて願うほうが、七夕の意に沿っているといえそうですね。

子どもが小学校にあがるとなかなか笹の葉や短冊と縁遠くなってしまいますが、最近では百均でも今の時期七夕グッズを扱うところも増えてきたので、そういったものを上手に利用して七夕行事を楽しんでもいいですね。

なぜ、笹?

七夕

古来より笹は、その根強さ、繁殖力、風雪にも強いことから、魔除けにもなる神聖なものとして扱われてきました。そういったことに加え、笹は天に向かってまっすぐ伸びるため、願いが天に届く、と考えられていたようです。   似たような性質で、「竹」もありますよね! 実は、竹も葉の部分だけを使う場合は「笹」と呼んでもいいようなのです(!!)。厳密には笹と竹は違う植物なのですが、七夕の飾りとしてはどちらでもいいようですょ。   もっと詳しく竹と笹の違いを知りたい方は、わかりやすいサイトを見つけましたのでどうぞ:流行ニュース速報発信局

▶︎▶︎子どもと楽しむ七夕のアイディア①折り紙制作

もともと手仕事の上達を願う七夕なら、ぜひお子さまと手先を使う折り紙を楽しみながら、七夕飾りを作りましょう!

七夕飾り

2才くらいの小さなお子さまなら、お母さまがいろんな色の折り紙を三角に切ってあげて、それをひたすら好きな順番に貼り合わせる作業をしてもらうだけでも楽しめます。のりを三角のてっぺんにつけて、もう一枚を重ねて貼る手本を見せてあげましょう。

もう少し手先が器用に動かせるお年頃なら、同じように貼ってつなげるだけの作業で作れる、輪っかつなぎもおすすめです。

おりがみくらぶ
おりがみくらぶ

小学生や、お子さまが工作が好きなようであれば、ちょっと変わり種のハートつなぎや星つなぎにチャレンジしてみてはいかがですか?

いつもの七夕飾りもグレードアップ、見た目にもとっても華やかでかわいらしくなりますね!

そのほか、「おりがみくらぶ」というサイトでは、簡単~ちょぴり難しい、折り紙でつくれるかわいい七夕飾りをたくさん紹介していますので、お子さまの好みや手先の器用さに合わせて、ぜひ一緒に七夕飾りづくりを楽しんでくださいね!

▶︎▶︎子どもと楽しむ七夕のアイディア②見映えのするレシピ

七夕の夜は、七夕を意識した食卓で一年に一度の特別な行事を楽しんでみても!

出典:クックパッド
出典:クックパッド

簡単、いつものそうめんも天の川に見立てて! 薄焼き卵やハム、キュウリなどを星型にくりぬいたものや、オクラなど、飾りをちりばめればあっという間に七夕らしい食卓になっちゃいますね。

七夕レシピ
出典:クックパッド

見た目にも涼しげなゼリー、七夕の日の食後スイーツにいかがですか?

▶︎▶︎子どもと楽しむ七夕のアイディア③浴衣や甚平を着よう!

もし浴衣や甚平をお持ちなら、七夕の夜にはお子さまも浴衣・浴衣に着替えて、ロマンティックな気分にひたってみても。ドレスもそうですが、 せっかくあるのなら着る機会だってたくさんあったほうがいいですものね! 七夕を機に浴衣や甚平を新調して、今年の夏は夕方のお散歩や湯上りのリラックスタイムなど、浴衣や甚平を楽しむ機会をたくさんつくってみてもいいかもしれません。  

●海の日(第3月曜日)●

1876年に明治天皇が東北を巡られ、青森から横浜へ入港されたことにちなみ、1941年に7月20日が「海の記念日」とされました。この時点ではまだ、祝日ではありません。  

海の日

その後、「7月=夏=海」と、7月は海を感じる季節でもあることから、海の仕事に従事している方々の間で「海の記念日を祝日にしよう!」という運動が起こり、1996年に「海の恩恵に感謝し海洋国日本の繁栄を願う日」として「海の日」の祝日が制定されました。

この「海の日」が祝日として制定される前は、7月には祝日がなかったのですね。現在では海の日は、7月の第3月曜日、となっていて、夏休み前の三連休となっています。

●土用の丑の日(7月下旬)●

うなぎ

「『土用の丑の日』にうなぎを食べる!」  なんとな~く、その時期になるとスーパーや広告でそういって販売しているからそうしている方もいらっしゃると思いますが、そもそも、「土用の丑の日」ってなんなのか、なぜうなぎなのか、ってことをご紹介したいと思います!  

土用の丑の日とは?

まず、「土用」とは。二十四節気でそれぞれ季節の始まりを表す、立春、立夏、立秋、立冬、この「四立」の前の約18日間のことを、土用、といいます。2022年の夏でいえば、「立秋」が8月7日なので、その前、7月20日~8月6日までが土用の期間です。

出典:明日のネタ帳

「土用の丑の日」とは、その土用期間の「丑の日」、ということです。今では毎年変わる干支としてしか認識されていない十二支(子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、・・・)ですが、方角や月、日にちを数えるときにも使われるのですね。12日周期なわけですから、今年は土用期間の丑の日は7月24日と8月5日、2回あります。また、土用の期間は、立春、立夏、立秋、立冬、それぞれの前18日間なので、「土用の丑の日」も、実は四季それぞれに何回かあります。しかし俳句でも「土用」は夏の終わりの季語になっているくらいなので、一般的に「土用」といえば、それは夏のことをさすようです。

なぜ、うなぎ?

さて、その土用の丑の日に、なぜ「うなぎ」を食べることになったのか。   これには諸説あるようですが、一番有名な説をご紹介します。

うなぎ

さかのぼること江戸時代、うなぎ屋からうなぎが売れないことを相談された学者の平賀源内は、「本日丑の日」という貼り紙を店先に貼ることを提案しました。この背景には当時、「丑の日に「う」からはじまる食べ物を食べると夏バテしない」という風習があったようなのですが、これが見事功を奏し、うなぎ屋は大繁盛したのだそう! 他のうなぎ屋もこぞってはじめたことから、あっという間に「土用の丑の日にうなぎを食べる!」は定着したようです。

ただ、先ほどもお話したように、「土用の丑の日」は実は夏だけでなく、他の季節にもあります。その中で、「夏の土用の丑の日にウナギを食べる」ことが定着したのは、うなぎが売れなかったことと深く関係があります。本来ウナギの旬は冬であって、昔は夏こそうなぎがまったく売れなかったのだとか。よって、旬ではない夏にうなぎを食べてもらいたい、言ったらうなぎ屋さんの販売促進が大成功して定着したのですね。

うなぎ

うなぎはビタミン、ミネラルなど栄養源が豊富な食べ物です。夏こそウナギを食べてスタミナをつける、これはあながち間違ってはいません。   また、近年ではスーパーの食料品売り場では、この夏の土用の丑の日以外の丑の日にも注目しているようですので、四季それぞれ、「土用の丑の日」というフレーズを目にするかもしれませんね!  

●●Pick UP! 夏を快適にすごすヒント●●

梅雨入り前もすでに暑い日が何日かありましたよね。今年は特には「猛暑になる!」とは言われていませんが、近年平均気温も上昇していることから、やはり夏の暑さには万全の対策をしておきたいもの。

通常気象庁などが発表している気温は、地上150センチのところで測っています。たとえば地上50センチで測るとさらに2、3度気温は高くなるといわれていますので、大人が感じている以上に子どもたちは暑さを感じていることになるのです。

そういったことも踏まえ、これからやってくる夏に備えて、気をつけたいことをいくつか挙げます。

▶︎水分と共に塩分補給も!

汗をたくさんかくと、水分と共にミネラルも失われます。体内のミネラル分が少ないと、いくら水分をとっても、体内のミネラルがうすまらないよう体が水分を吸収しなくなるそうです。水分補給とともに、塩分もとることを忘れずに! 近年ではタブレットやキャンディーなんかで手軽に塩分を補える商品がたくさん出ていますし、熱中症対策にぴったりな飲料水も出ています。そういったものを上手に活用しましょう!

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▶︎服装にも配慮!

「吸水性」「通気性」「紫外線から皮膚を守る」。夏場は、この3つを考えた服装選びが大切です。 綿や麻といった天然素材が肌にもやさしくおすすめですが、化繊も速乾性、吸収性といった面では特にすぐれたものがでてきています。
長時間外で過ごすようなときは、麦わら帽子など通気性のよい帽子を必ずかぶるようにし、そして薄い羽織物で肌を覆うことも考えましょう。 短時間の外遊びであれば、SPF20程度の日焼け止めを厚めに塗っておくだけでも肌への影響が全く違ってきます。

▶︎プールや海辺でのアクティビティでは紫外線対策を!

昔は子どもは色黒なほうが健康的なイメージがありましたが、温暖化が進む今では紫外線事情も変わってきています! UVカット率の高い水着や、ラッシュガードの着用で長時間の肌の露出はなるべく避け、日光があたる部分には日焼け止めを塗ってあげてくださいね。海で遊んだ場合には、海水の塩分が体についているので、その塩が日光に当たることで肌を痛めたりすることも! できれば海から上がる時は、海水浴場に設置されているシャワーで海水を洗い流すようにしましょう。

▶︎ひんやりグッズを上手に使う!

本当に暑い日は、首まわりを冷やしたり、ミストをシュッと浴びるだけでもだいぶ気持ちよく、気分もシャキッとします。水に濡らせば冷感が持続する、首に巻くタイプの冷却グッズ「しろくまのきもち」は、キッズサイズにポップでキュートな色柄もラインナップ!

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しろくまのきもち
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▶︎ベビーカーの暑さ対策

ベビーカーは地面により近い位置を動くわけですから、気温、照り返し、きっとベビーも暑さひときわでしょう。ベビーカーでも快適にすごせるよう、暑さ対策が必要です。

DORACO FIRST
DORACO FIRST

助産師さんのママさんとデザイナーのパパさんが、汗っかきのわが子のために開発したというだけあって、よく考えられたベビーカーシートです。保冷剤を入れる位置へのこだわり、素材、対応機種の多さ、ベビーカーだけでなくチャイルドシートや自転車のシートにも使える汎用性、デザイン・・。なんともオールラウンダーなベビーカーシートです。

▶︎お部屋のなかではエアコンと扇風機を上手に使おう!

設定温度は夜寝るときも、26~28度が安眠できる温度。設定温度28℃でも、エアコンの風が直接あたらないようにし、あとは扇風機を併用すると、うまく冷気が部屋の中をめぐって冷却効果があがります。

▶︎▶︎暑い日におすすめ「甘酒」!
甘酒

夏場の栄養補給に、「甘酒」がおすすめです! しょうゆや味噌、納豆など、日本が世界に誇る伝統的な発酵食品同様、甘酒もまた、発酵を利用して作られたもの。発酵食品は、ビタミンや必須アミノ酸といった、私たちの健康に欠かせない物質を豊富に含んでいるため、近年とても注目を浴びていますよね! なかでも甘酒は、さらりと飲むことができ、甘みもあるのでお子さまにもおすすめです。

冬場に温かい甘酒を飲んで体を温めるイメージがありますが、江戸時代では甘酒は、その高い栄養価から庶民の夏バテ防止の飲み物だったそうです。俳句でも「甘酒」は夏の季語なんだとか!

甘酒はアルコール度数が1%未満なため清涼飲料にジャンル分けされていますが、原料に酒粕が使われている甘酒ですとアルコール分がまったく0ではないので、注意が必要です(甘酒といってすぐ思い浮かぶのが、赤パッケージの森永の甘酒ですが、あれは酒粕と米麹から作っているので「お子様、妊娠・授乳期の方はご注意ください」との表記があります)。

お子さまと飲むならアルコール分が入らない、米麹から作られている甘酒がおすすめです。

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七夕

 

七夕を楽しみながら、暑い夏への備えをし、素敵な夏休みを迎えてくださいね!

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